バフェット氏に学ぶ企業買収2つの秘訣

2017.07.08 

 

世界の投資家が注目する、著名投資家のウォーレン・バフェット氏に関するニュースや、同氏の発言から、英語とファイナンシャル・リテラシーを上げる記事第二弾です。

 

今回はバフェット氏の大型買収案件のニュースから、「企業買収」にからむ頻出英語表現を解説します。

 

 

この記事を読むと、買収関係の英語ニュース記事の理解力高まると同時に、世界有数の投資家の考え方を理解する事ができます!

 

 

 

下記にご紹介する記事は、2017年7月初旬の、バフェット氏の会社がテキサスの送電会社、Oncorという会社を買収という報道です。

 

 

“Warren Buffett’s Berkshire Hathaway Inc. struck a deal to buy one of the country’s biggest power-transmission companies, cementing electricity as one of the conglomerate’s largest businesses.” (WSJ)

 

「ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイ社は、電力を複合企業である同社の主要ビジネスの一つとして定着させるため、同国最大の送電会社の一つを買収する案を打ち出した。」(意訳)

 

 

strike a deal = 合意する (=reach a deal)

(struck は strikeの過去形)

 

deal = 合意

 

cement = 固める、強固にする   (セメントで固めるもこのcement)

 

conglomerate = コングロマリット、複合企業体  (今回の記事ではバークシャーハサウェイ社のこと)

 

 

“The acquisition would be one of Berkshire’s largest ever and its biggest since the $32 billion purchase of Precision Castparts Corp. in 2016.”

 

「この買収はバークシャーにとって2016年に米金属部品メーカーのプレシジョン・キャストパーツを320億ドルで買収して以来の大型案件で、同社の買収の中で最も大きい買収案件の一つである。」

 

acquisition = 買収

 

purchase = 買収

 

公共事業のため、Oncor社があるテキサス州は、先に名乗りをあげていた

別の会社の買収を、公共の利益にならないとして、阻止した経緯が

あるそうです。

 

 

そのため、今回のバフェットの氏は、下記のようにも表現されています。

 

”The deal is a bold bet by Buffett.”

「この取引はバフェット氏の大胆な賭けである。」

 

bold = 大胆な

 

bet = 賭け

 

 

バフェット氏は、近年買収ターゲットにインフラ系企業に注目しているようですね。

 

 

それでは、世界での有数の戦略的買収家(the greatest strategic acquirer)と評されるバフェット氏の過去の発言から、彼の考える“2つの成功する買収の秘訣“をご紹介します。

 

 

The Most Important Thing about M&A According to Warren Buffett

ウォーレン・バフェット氏に学ぶM&Aを考える上で最も重要なこと

 

1.”Looking at the Big Picture”

「大局を見る」

 

(big picture は、ビジネスの現場でよく出てきます。大きな絵ではなく、大局という意味です。)

HypnoArt / Pixabay

”The most important thing isn’t negotiating every fine point of a deal, but being right on the broader prospects of the potential takeover target.”

 

「最も重要なことは、取引のあらゆる細かい点について交渉するのではなく、買収見込みとなっている企業の、より広い見通しを正しく見極めることである。」

 

 

fine = 細かい 

 

broader prospects = より広い見通し

 

potential = 見込み、可能性、潜在的

 

takeover = 買収(名詞) 

 

参考)take over  = 買収する、引き継ぐ、乗っ取る (動詞)

 

target = 対象 

 

 

 

 

2.Evaluating Future Demand

将来の需要を(正しく)評価

 

 

“The mistakes in mergers and acquisitions are always about making an improper assessment of the economic future.”

「合併&買収で起こる間違いは、いつでも(買収企業の)経済的な未来に不適切な評価することにある。」

 

 

improper = 不適切な (反対語 proper = 適切な)

 

assessment = 評価

 

 

”Evaluating an opportunity with this broader perspective will help increase your chances of a successful deal.”

 

「広い視点で機会を評価することで、成功する可能性を高めることができる。」

 

 

evaluate = 評価する

 

perspective = 視野

 

Photo-Mix / Pixabay

今回のバフェト氏の助言も、至極まっとうかつとてもシンプルでした。

 

企業買収はキャッシュフローなどを使って細かく行うFinancial Valuationやdue diligence(デュー・デリジェンス)と言われる、企業の負債や債務などを精査するプロセスもありますが、先ずは経営陣がターゲット企業の将来性を大局的に判断し、相応しい買収ターゲットなのかを判断することが大事ということですね。

 

 

改めて、今回のハサウェイ社の送電会社の買収記事を読むと、

将来性のある市場が何であるのか、わかってくるように思います。

 

 

それでは、最後の企業買収に関係する主な用語をご紹介します。

 

 

Mergers & Acquisitions (M&A) 合併および買収

 

Stock Purchase 株式譲渡 

 

Absorption-type Merger 吸収合併

 

Asset Purchase 事業譲渡

 

Corporate Divestiture 会社分割

 

Spin-off (分社型)分割

 

Share Exchange 株式交換

 

Rights offering 第三者割当増資

 

Leveraged buyout (LBO) 買収先企業の資産又は将来のキャッシュフローを担保に、金融機関等から資金調達をして行う企業買収のこと

 

Management buyout (MBO) 経営陣が企業や事業部門を買収して独立すること

 

Special purpose company (SPC) 特別目的会社

 

Take-over bit (TOB) 株式公開買付け

 

Hostile take-over bit 敵対的株式公開買付け

 

susannp4 / Pixabay

 

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