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ビジネス英語トレーナー の小林真美です。
グローバルで通用するするビジネス英語をマスターしたい方に向けて、役立つ内容を書いています。
企業が年に一度発行するアニュアルレポートが、会計やファイナンスのプロフェショナルに、最適な実践的ビジネス英語教材であることは、下記のブログでご紹介しました。
会計・ファイナンスプロフェショナルに最適な実践的教材・アニュアルレポートの取り組み方!
実は、アニュアルレポートは、数字の専門家や投資家だけが読むものではありません。
ビジネスパーソンとして、最新の動向や知見を広めつつ、ビジネス英語をマスターするために、業種や職種を問わず誰にでも役立つ生きた教材です。
特におススメのパートは、通常冒頭に置かれている、企業トップからステークホルダー(投資家のみならず、企業を取り巻く全ての人々)に向けてのメッセージ、『CEOからのメッセ―ジ』です。
Letter from our Chairperson, A letter from CEO, CEO’s letter to shareholders, などといったタイトルになりますが、要は企業トップが一年を振り返って、ステークホルダーに伝えたいこと、そして伝えるべきことのまとめです。
アニュアルレポート自体、非常にボリュームがありますので、全部を読破するのは証券アナリストなどの、一部のプロフェッショナルだけだと思いますが、この企業のトップからのメッセージは、多くの人が目にするものです。
上場しているグローバル企業であれば、株主は世界中に存在していることが多いですよね。CEOからのメッセージも、英語ノンネイティブの株主も多いことを考慮して、比較的平易な文章で、わかりやすい表現を使っていることが多いです。
もちろん、その企業のバックグラウンドや業界知識がないとわかりにくい部分もあります。逆に言うとそういった知識があれば、英語力が不足していても、メッセージの内容をより理解することができる可能性が高くなります。
私自身、専門外のIT系企業のCEOからのメッセージを教材に使っていて、その分野のエキスパートである受講生の方に解説いただき、内容の理解をより深めた事が多々あります。
週末の朝、オンラインで単発講座を開催しています。
ちょっとご興味持っていただいた方、お気軽にご参加ください。
それでは、実践的で生きたビジネス英語の教材として、CEOからのメッセ―ジを読むことのメリットを、以下に解説します。
目次
- ○ CEOからのメッセージをおススメする理由
- ○ どんなところにフォーカスしながら読むべきか
- ・上手くいかなかったことを、どう表現しているかに注目
- ・CEOは外部環境をどうとらえているのか
- ・数字から見えない、企業のソフト面を理解する
- ○ まとめ
CEOからのメッセージをおススメする理由
過年度の業績内容や重要な出来事を、数字の羅列や難しい専門用語を使うだけでなく、わかりやすい言葉で説明しているのが、CEOからのメッセージです。
経営者のスタイルにもよりますが、読み手に語りかけるような文章が多く、入り込みやすいです。
前述した通り、グローバル企業の場合は、英語ノンネイティブが読み手に多く存在していることを想定していますので、英語のセンテンスもわかりやすいものが多いです。
とは言え、英語圏の文化・社会的知識がないとよく理解できないような比喩的な表現などが使われていることもありますが、あまり気にしないで読み進めましょう。
主語と述語を捉えて、ポイントを抑えるように読みすすめることが、最後まで読み切る秘訣です。
全部を100%理解することを目標とするのではなく、重要なメッセージをつかみつつ、自分も使えそうな英語表現があれば、それをノートに書き出してみてください。
「あっ、この表現、外国人の上司が使っているのを聞いたことがある。」とか、「この表現、次回の英語プレゼンテーションに使えそう」と言った声を、実際受講生の方からよく聞きます。
どんなところにフォーカスしながら読むべきか
実際にメッセージを読むなかで、具体的にどのような点に注目すべきか、3つご紹介します。
上手くいかなかったことを、どう表現しているかに注目
メッセージのなかでは、何が上手くいって、何が上手くいかなかったのかを、経営トップの視点でまとめています。
アニュアルレポートの中で、実績数字が明らかになりますので、数字に影響したような上手くいかなかった事業について、隠すようなことはありません。
「想定通りに行きませんでした。ごめんなんさい。」という展開でもちろんなく、冷静な振り返りとして、失敗の原因について言及していいることが多いです。
必ず前向きな表現を使い、今回の苦い経験をどう次に生かすかを語っています。
そういった場面で使われている”前向き表現”、日々の現場で直面する、上手く運ばなかったことをどう英語で上司に報告するかに、非常に役立ちます。
企業をとりまく環境がどんなに厳しいものであれ、CEOからのメッセージは、力強く、前向きに書かれています。
読んでいて前向きな気持ちになれるということが、CEOからのメッセージを、私が生きた教材としておススメする最大の理由とも言えます。
CEOは外部環境をどうとらえているのか
CEOのメッセージの中では、必ずと言っていいほど、外部環境がどう自社に影響したかを語っています。
動きが早く、複雑化している外部環境を、企業のトップがどうとらえているかは、経済全般を理解するのにつながります。
ビジネスのリアルな現場で捉えている感覚に触れることは、新聞やニュースから入ってくる情報を、より深く理解することに役立ちます。
原油や資材価格の高騰が、こういった企業の業績に、実際どう影響したのかを、具体例として理解するようなイメージですね。
数字から見えない、企業のソフト面を理解する
CEOのメッセージの中では、数字や一般的に目にする情報(商品や広告など)からは見えない、企業の文化やトップの価値観などについても語られています。
今後の展望やストラテジーなども明確に記載しているケースもあります。
そういった内容に触れられることが、CEOのレターを読む醍醐味の一つです。
厳密な字数制限はなくとも、ある程度コンパクトにまとめるCEOのメッセージには、厳選した内容を書いているはずです。
敢えて書かれている内容は、それだけ企業のトップがステークホルダーに伝えたい内容なのです。
まとめ
業種や職種を問わず、生きたビジネス英語を学びたいビジネスパーソン向けに、アニュアルレポートの中の、CEOからのレターを活用することをおススメします。
CEOからのレターは、上手くいかなった事をどのように伝え、その経験をどう次につなげるかを力強う、前向きに伝える表現方法の参考になります。
企業トップの外部環境に対する見識は、経済全般を理解することにも役立ちます。
そして、何より、企業トップのメッセージの中から、数字からは見えない、企業の特徴をより深く理解することもできるでしょう。
今回の記事でアニュアルレポートに興味を持ったものの、ちょっとハードル高いと思った方は、英語バージョンを出している日本のグローバル企業の英文アニュアルレポートから始めてみるのもおススメです。
CEOのメッセージは、単純な英訳ではなく、より英語圏の人にわかりやすい書き方になっていますが、基本のコンテンツは同じです。日本語文を読んで理解してから、英語にとり組んでみるのもいいですね。
CEOのメッセージに興味を持ったかた、是非下記の講座に参加してみてください。お待ちしています。
Biz英語塾はビジネス英語トレーナーの小林真美による英語塾です。
オンラインでの個別指導レッスンを中心に、オンライン教材の提供、不定期に少人数ワークショップを東京(もしくはオンライン)で開催しています。