グローバル人材に必要な論理的コミュニケーションを身につける方法

2021.10.03 

ビジネス英語トレーナー 小林真美です。
 
グローバル人材育成の一助となるべく、英語を使って外国人と働く際に役立つアドバイスを書いています。
 
前回の記事でご紹介した、総務省が定義するグローバル人材に、”豊かな語学力・コミュニケーション力”というものがありました。
 
語学力というのはビジネスで通用する英語力と置き換えてイメージすることができますが、豊かなコミュニケーション力というのは、具体的にはどのようなスキルでしょうか?
 
話がわかりやすく、人の話をよく聞く人。誰とでも上手くコミュニケーションができる、社交性があって一緒に働きやすい人、といった定義が一般的でしょう。
 
日本人にありがちなのが、アフターファイブのノミニケーションの付き合いがいいとか、ランチで楽しい話ができるといった意味で社交性のある人が、自動的にビジネスの世界で通じるコミュニケーション上手と、勘違いすることです。
 
社交の場で楽しい人は、プラスの印象にはなりますが、ビジネスで必要なコミュニケーションが長けているとは一概には言えません。
 
グローバルなビジネスの世界で必要となるコミュニケーション力は、なんといっても”相手”に自分の考えを論理的に説明できる力です。
 
社会的・文化的バックグラウンドが異なる相手に、第二外国語である英語で、説得力をもって自分の言いたいことは伝えるのは、簡単にできることではありません。
 
しかし、コツをつかんで日頃から準備をしていけば、英語が苦手でもマスターしていけます。
 
一番大事なことは、伝えたいことを整理して、論理的に話を展開するスキルを持つことです。
 
以下、ロジカルで豊かなコミュニケーション力を身に着ける方法を解説します。

目次

日頃から物事を体系的に整理するクセをつける

グローバルビジネスで必要とされる論理的なコミュニケーション力は、実のところすべての社会人に必要なスキルです。

一見複雑な物事も、突き詰めて考えることでシンプルに整理していくことが大切です。

ビジネスの世界で、これができる人はビジネス経験の浅い英語堪能者ではなく、ビジネスへの経験・理解が深い人たちです。

この意味でも、英語ができる新人を雇ったからといって、海外ビジネス展開が上手くいくと期待するのは的外れです。


複雑な事を、難しい言葉で表現しても、誰にも評価されません。

複雑な話や問題点を、相手に何をどこまで、どういう表現と順番で話せば伝わるのか、常に整理するようにしましょう。

当然、相手にはどの程度その話題について知識があるのか、またどこまで知る必要があるのか。 話しをした後、相手にどういう行動をとってもらいたいのかを、意識することも欠かせません。 

自分の頭の中を整理するために、一度白い紙に手書きでキーワードを書いてみることもおススメです。本当に伝えたい事が何なのかを整理することができます。

いろんなツールもありますが、私自身が利用してるのはシンプルなマインドマップです。

他にもいろいろ手法があると思います。ポイントは自分の中でしっかり整理できてない段階で話し出す(それも英語で)とか、つらつらメールを書き始めてしまうことです。 

Why?と疑問を持つ習慣をつける

グローバルな環境で仕事をすると、自分の意見を求められる頻度が格段にあがります。

誰かに言われたことを鵜呑みにするのではなく、自分で考えて、必要であれば反対意見も臆せずに言えれるようにならなければなりません。

マスコミが言う事だから、上司が言う事だから、先生が言うことだからと、何の疑問も持たずして受け入れるではなく、一度はそれは本当に正しいのか?と自分自身で考えることが必要です。

出る杭は打たれる的に、人と違う意見を言うことを奨励されない環境で育ってきた日本人が、大人になってから何にでも疑問を持てと言われても、習慣化するの結構難しいです。

最初からハードルを上げすぎず、身近な出来事から、自分が意見を求められたら何ていうかを考える、家族や親しい友人に自論を展開してみるということをやってみてはどうでしょうか。

英語で話す相手があれば、相手の意見に必ずしも同意しなければ、自分の考えを遠慮せずに言ってみることも大事です。 

英語圏の人は、相手が違う意見を言う事に対して、根に持ったりしません。特にビジネスの場であれば、異なる意見をきちんと表現することは、評価されるきっかけにもなります。 もちろん、相手をリスペクトする態度を忘れないことは必須です。

知性を磨き続ける

グローバルビジネスで生かされるコミュニケーションには、発信側に確固たる自信がないとできません。

リーダー・管理職であればあるほど、その必要性が高まります。

ビジネスの世界では、正解は一つではありません。商品開発にしても、マーケティング戦略にして、経営戦略にしても、数ある選択肢の中から、考え抜いて決定したことについて、自信を持って伝える姿勢が大切です。

あいまいなコミュニケーションは、裏を返せば、伝えたいことに自信がないということです。

自信を持つためには、様々なデータや意見を含めた徹底した情報収集、それらを分析する力、考え抜いて決定する胆力が必要です。

グローバルにビジネスを展開すると、選択肢が広がると同時に、考えなければならない課題も莫大に増えます。

そのような状況に直面した時、自分はどう行動できるか? 頼りになるのは、知性を磨く努力をしてきた自分自身の判断力と覚悟です。

もう何年も昔になりますが、当時小学2年生だった次男が、海外のインターナショナルスクールで英語を初めて学び始めた時、第二外国語としての英語を教えるベテランの先生のアドバイスで、今でも忘れられないことがあります。

「彼の知性・論理的思考は母国語で考えることで伸びる。それができて初めて、彼の英語力も伸びる。」 

当時はかなり不安でしたが、このアドバイスは本当に的を得たものでした。

知性や論理的思考を伸ばすことを意識しないで、英語だけを勉強しても、グローバルで活躍できる人材にはなりません。

逆に言うと、それができていれば、英語が苦手でも、グローバルに活躍できる機会は遠くないと言えるでしょう。

まとめ

今回はグローバル人材に必要な、豊かなコミュニケーション力を養うために秘訣をご紹介しました。

論理的でわかりやすいコミュニケーションを行えるように、日ごろから物事を体系的に整理するクセをつけること、何事にも疑問を持つことで自分の考えを養う習慣をつけること、そして知性を磨き続ける努力をすることをあげました。 

この記事は、世代を問わず、これからグローバルにビジネスを展開したいと考えている人すべてに向けて書いています。

世の中の動きも加速度的に変化していますが、知性を磨く努力をストップしなければ、新たなチャンジを楽しみながら乗り越えられるのではないでしょうか。

Biz英語塾はビジネス英語トレーナーの小林真美による英語塾です。

オンラインでの個別指導レッスンを中心に、オンライン教材の提供、不定期に少人数ワークショップを東京(もしくはオンライン)で開催しています。


以下の著書には、私が20数年外国人と仕事をしてきた経験、失敗から学んだことを書いています。

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